Q値とは?
ハウスメーカーのカタログを見ていると見かける「Q値」。カタログにはQ値の実際の数値が書いてあって、「だからウチの家は冬場暖かいのです」みたいな説明が書いてあります。
冬場暖かいというのは分かりますが、それとQ値に一体どんな因果関係があるのか、よく分からないまま住宅を購入している方が多いのではと思います。
私自身もQ値について全く知識がないまま契約してしまいましたが、そもそもこういう知識をちゃんと得てから契約したほうが正確な判断ができますよね!
そこで今回は、Q値について分かりやすく説明したいと思います。
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Q値=断熱性能
Q値とは、簡単に言うと「建物の断熱性能」のことです。
上の絵はQ値の求め方の概念図です。少し分かりにくいので、簡潔に説明しますと、
1:天井から逃げる熱
2:換気して逃げる熱
3:壁や窓から逃げる熱
4:床から逃げる熱
を合計して、それら外に逃げる熱が建物の広さ(延べ床面積)に対してどれくらいの割合かを示す値がQ値となります。
つまり、建物から逃げる熱が多くなるほどQ値は大きくなります。熱が逃げるということは、夏はクーラーで冷やした冷気が外にどんどん逃げていきますし、冬はエアコンの暖かい空気が外へ出て行ってしまいます。よって、Q値が大きいとエアコンやクーラーの効果が弱まり、電気代がかさむということになります。
Q値はいくつなら良いの?
ここまでの説明で、Q値とは何かがなんとなく分かったと思います。
それでは、実際にハウスメーカー選びの際に、Q値がいくつなら良いのでしょうか?
具体的にいくつ以下なら快適!という指標は無いのですが、ミサワホームのホームページに面白いデータが掲載されています。
こちらの図はミサワホームにおけるQ値と光熱費の関係を示したものです。
先ほどQ値は断熱性能のことだと説明しました。Q値が小さいほど、外に逃げる熱が少ないということでした。言い換えると、クーラーやエアコンを効果的に使用できるため、Q値が小さいと光熱費が少なくなります。
ミサワホームの場合、II地域ですと、Q値が3.7から1.53に下がるだけで、冷暖房費が年間8万8千円も安くなります!Q値の差は3.7-1.53=2.17ですから、Q値が1小さくなると冷暖房費は年間約4万円も安くなります!これはかなり大きいですよね!
他のハウスメーカーでもほぼ結果は変わらないと思われますので、この結果を見ると、Q値はおおよそ2以下であると優秀であると言えます。
Q値の良いハウスメーカーは?
それでは、具体的に各ハウスメーカーの公称Q値はいくつなのでしょうか?大手ハウスメーカー・工務店を対象にご紹介します。
積水ハウス | 1.9 |
セキスイハイム | 1.9 |
大和ハウス | 2.19(木造) |
ミサワホーム | 1.8 |
住友林業 | 1.83 |
一条工務店 | 1.13 |
トヨタホーム | 1.86 |
タマホーム | 非公開 |
いかがでしょうか。意外と一条工務店が高い性能を出しています。他の大手ハウスメーカーも2以下ですので、やはり高価格帯のハウスメーカー・工務店ならQ値も優秀であると言えます。
一方、ローコストメーカーの代表であるタマホームは非公開です。Q値が良いなら公表しますから、おそらく公表できないくらいQ値が大きいのかもしれません。
なお、上記の表の値は公表値ですので、実際の値とは異なりますのでご注意ください。
例えばデザイン窓が多いと窓から熱が逃げやすくQ値が大きくなりますし、実際に工事をする下請け工務店の作業者のスキルによっても左右されます。特に木造住宅ですと、大工さんの作業がおおくなりますので、熟練の大工さんが多い工務店で工事をやってくれるとQ値は良くなりますが、そうでないとQ値は悪くなってしまいます。
ちなみに、我が家はセキスイハイムで新築を建てましたが、Q値はなんと0.9でした!工事監督さんも驚いていました!
セキスイハイムは工場生産が主体ですので、そもそも品質にムラが出にくく、実際のお家でも公称Q値と変わらない値が出ると思います。
それに加えて我が家を担当してくださった工務店はとても優秀な方々ばかりだったようですので、実測Q値が0.9という非常に良い値になりました。
このように、公称Q値だけでは分からない部分もありますので、建て方や評判なども調べて総合的に判断されることをオススメします。
まとめ
以上、今回は建物の断熱性能を示すQ値について説明しました。
Q値は小さいほど高断熱な建物と言え、Q値が1小さくなると光熱費が年間約4万円やすくなることをご紹介しました。
Q値は公表値が各社ホームページに掲載されていますが、実際の値は工法や下請け工務店の質に依存するため、ご注意ください。
私のオススメは、鉄骨系ハウスメーカーです!
やはり工場生産ということで安定した品質を確保できますので、実際のQ値が良くなる傾向にあります。
Q値や断熱性能というのは目に見えない部分ですが、光熱費を大きく削減することができますので、新築を建てる際にハウスメーカーのQ値を調べてみることをオススメします!