売電しているはずの電力が捨てられている?
最近何かと話題に挙がる太陽光発電。既に新築にソーラーパネルを載せて発電収入を得ている方も多いと思います。
太陽光発電は日中に発電して、自宅で消費する電力を除いた余剰電力を電力会社に売ることができます。現在は固定買い取り制度がありますので、10kW未満の太陽光発電の場合、10年間は買い取り価格が変わりません。
そんな太陽光発電ですが、実は自宅で発電した余剰電力の全てを電力会社が買い取っていないのです!これは「出力抑制」という仕組みでそうなっているのですが、これを知らない方は多いのではないかと思います。
自宅で発電した電力のうち、全部を買い取っていないということは、一部は電力会社に売られることもなく、ただ単に捨てられているということです。これはもったいないですよね!
そこで今回は、この「出力抑制」について説明し、自宅が出力抑制の対象になってしまった場合の対処方法を見ていきたいと思います。
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出力抑制とは?
そもそも出力抑制とは何でしょうか?出力を抑制すると言われても、何の出力を抑制するのかよくわかりませんよね。
ここでいう出力とは、「ソーラーパネルが発電する電力」のことです。
基本的な太陽光発電は、ソーラーパネルから発電した電気を、パワーコンディショナーという機械を使って整った電気に変換して、その電気を送電線を通して電力会社に売るという流れです。
出力抑制とは、このパワーコンディショナーで整えられた電気を抑制、すわなち出力しないということです。
上図のように、パワーコンディショナーを介して太陽光発電した電力を売電しているわけですが、このパワーコンディショナーからの出力が抑制されてしまうと、せっかく発電した電力を売ることができません。太陽サンサン絶好の発電日和でも、自宅には一銭も収入が入ってこないのです。
このような迷惑極まりない出力抑制ですが、なぜ出力抑制をしなければならないのでしょうか?
出力抑制は安定した電力を作るための保護機能
各家庭で使用する電気は電力会社から送られてきますが、その経路、つまり送電線は全ての家庭と繋がっています。電線を見ると、一本の電線から枝分かれして各家庭へ入っている光景を見かけると思いますが、電力会社の設備と各家庭とは全て繋がっているのです。
電力会社は電力の安定供給のために、供給する電力の電圧を正常範囲内で抑えるように努めています。具体的には101V±6Vという範囲を正常としている場合が多いようです。
そのような状況のなか、例えばある設備が送電線経由で大きな電気を送り返してしまうとどうなるでしょう?
送電線を流れる電気の電圧は上昇してしまい、正常と言っていた範囲を超えてしまいます。そうすると電力会社は電力を安定供給できなくなりますので、その場合に各家庭から出力される太陽光発電の電力をストップするのです。ストップしている間に、電圧が正常範囲内に収まってくれば、そのストップを解除します。これが「出力抑制」です。
どういう時に出力抑制するの?
このように甚だ迷惑な出力抑制ですが、どんなときに起きるのでしょうか?
よくあるケースとしては、朝日とともに各家庭・発電設備が太陽光発電を開始しはじめるため、電圧が急上昇して正常範囲内から外れてしまい、出力抑制するケースです。
発電開始し始めは太陽光発電も安定しないので、例えば自宅の周りにソーラーパネルを載せたお家がたくさんあったり、あるいは太陽光発電設備があったりすると、出力抑制に合うケースが多いようです。
また、近くに工場があると、工場稼働時間になると出力抑制される場合があります。工場は多くの電力を消費する設備ですが、それらの設備が稼働する際に工場から送電線を介して電気が逆流してくる場合があります。この場合も電圧が一時的に上昇してしまい正常範囲内から外れてしまうため、出力抑制となります。
自宅の太陽光発電が出力抑制に合っているかどうかは、太陽光発電の電力モニタを見ると分かります。
出力抑制の最中は点滅したりアイコンが表示されたりしますので、ふと電力モニタを見たときに見たことない表示がされていると出力抑制を疑った方が良いです。
出力抑制になった場合はどうする?
では、実際に自宅が出力抑制になった場合はどうすべきでしょうか?
短時間だけなら放置しておけば良いです。出力抑制で抑制される電力はごくわずかですし、おそらく朝の限られた時間だけ出力抑制となる場合がほとんどだと思われます。
問題なのは頻繁に出力抑制となる場合です。これはおそらく自宅周辺の電力状況が良くないので、出力抑制で売電が大きく減ることになります。工場が多く存在していたりすると、頻繁に出力抑制となることがあるようです。
そのような場合は、管轄の電力会社に相談して改善を要求すると良いです。また、セキスイハイムで建築された方の場合は、セキスイファミエスの点検担当者の方に相談すると、適切に対応してあただけますので便利です。
まとめ
我が家でも3ヶ月点検のときに出力抑制の話を聞いて初耳でしたので、おそらく出力抑制について知らない方は多いと思います。
せっかく太陽光発電しているのだから、出力抑制なんかで売電できないのはもったいないですよね!
もし自宅が出力抑制されているのに気が付いたら、早急に電力会社に相談されることをオススメします。