タマホームは2014年11月1日から、太陽光発電の買い取り価格を従来より1円高く買い取るサービスを開始しました。これによって、タマホームで新規に太陽光パネルを設置する人は、他の人よりもより発電収入を得ることができるようになります。
ソース:SUUMO - タマホーム、特別価格による電力買い取りサービスを開始 2017年1月26日更新:リンク切れになってしまったようです。
スポンサーリンク
どういう仕組み?
従来より1円高く買い取るというのは、具体的にどういう仕組みになっているのでしょうか?
以下はタマホームのホームページから抜粋させていただいた資料の画像です。
この仕組みのメリットは、タマホームのお客様はタマホームに対して申し込みをするだけで良いというところです。タマホームに申し込みを行うと、タマホームからエネリスという会社に対して手続きを行い、お客様の発電した電力は電力会社ではなくエネリスに対して売るという流れになっています。
2014年度の太陽光発電買い取り価格は1kWhあたり37円ですので、それが+1円ということは38円で買い取ってくれるということです。
この1円の差はどれくらい大きいのでしょうか?簡単に計算してみます。
買い取り価格+1円の差
それでは簡単にシミュレーションしてみましょう。太陽光発電量は日照時間に左右されますので、特定の都市を例にして買い取り価格+1円の差を計算します。今回は名古屋市で計算します。
名古屋市の場合、太陽光発電システムとして4kWのパネルを搭載した場合、年間の発電量は約5653kWhとなります。
従来の1kWhあたり37円だと、
5653×37=20万9161円
となります。一方、タマホームの+1円サービスの場合は、
5653×38=21万4814円
となりますので、その差額は年間「5652円」となります。これをたとえば10年間継続したとすると、差額は「5万6520円」となります。5万円もあれば、ぷち贅沢とかできますね。
このサービスの良い点は、「太陽光発電システム自体に追加費用が不要」ということです。
太陽光発電の発電収入というのは、一にも二にも「買い取り価格」に左右されます。買い取り価格の高い時に設置したほうが発電収入が高いのは当然のことですから、1円でも高いに越したことはありません。
しかしながら、昨今の太陽光発電の新規申し込み分の買い取り保留問題(事業主向け)のあおりを受け、政府は現在、太陽光発電の買い取り価格の大幅な見直しを行っています。
来年度である2015年度については、さらなる買い取り価格の下落が予想されます。そうなると、せっかく高いお金を払って太陽光発電システムを導入したのに、元を取る前に故障してしまう、などという事態も想像されます。
そのような状況の中、時代の潮流に逆行するような形ですが、太陽光発電の買い取り価格を+1円するという試みは非常に面白い取り組みですし、お客様にとってもメリットのある仕組みだと言えます。
サービスは誰でも受けられるの?
このようなメリットの大きいタマホームの太陽光発電買い取り価格の+1円サービスですが、基本的にタマホームで太陽光発電システムを購入する方なら誰でも受けることができます。
ただし注意点が2点あります。
1)全量買い取り制度利用者
2)北陸電力・沖縄電力管内は対象外
このうち、1)の全量買い取り制度利用者という点が、一般のお客様では当てはまらない方が多いかと思います。
太陽光発電の買い取り抛方としては、発電した分を自宅で消費しその余りを売る「余剰買い取り」、発電した分を全て売る「全量買い取り」の二種類があります。
一般家庭の場合、多くは10kw未満の太陽光発電システムだと思いますが、10kW未満の場合は「余剰買い取り」となっています。つまり、多くの一般家庭ではタマホームのこのサービスは利用できないということになります。
一方、最近は屋根全体に太陽光パネルを搭載するという家も出てきており、10kW以上の太陽光パネルを搭載することが可能となってきています。10kW以上の場合は「全量買い取り」なので、今回のサービスを受けることができます。また、10kW以上の太陽光発電の場合は、20年間買い取り価格が固定になる制度がありますので、少なくとも20年間は継続して同じ価格で売電することができるメリットもあります。
まとめ
今回はタマホームの太陽光発電買い取り価格+1円サービスについて紹介しました。
太陽光発電システムを変更することなく、従来の買い取り価格から1円高く買い取ってくれるサービスは、お客様にとってはメリットが大きいサービスと言えます。
しかしながら、先にも述べたとおり、サービスを受けるには全量買い取りでなければなりませんので、太陽光発電として10kW以上の大容量太陽光パネルを搭載しなければなりません。太陽光パネルが安くなっているとはいえ、10kW以上ともなると設置費用が膨大になる可能性があります。
もちろん、タマホームはローコストメーカーですから、お家を安くしてその分余った予算を10kW以上の太陽光発電に回すというやり方もあるかもしれません。しかしながら、家自体を安くして住み心地を犠牲にしてまで10kW以上の太陽光発電システムを導入するメリットがあるかは疑問です。
今回のサービスは、あくまで予算に余裕があり、もともと10kW以上の太陽光発電システムを導入する予定だった新築購入者向けのサービスと言えます。10kW未満の太陽光発電システムを導入する予定だった方は、予算が許せば10kW以上に変更するというやり方もありますが、今回のサービスに惑わされることなく、家自体を住みよい空間にする方にお金を使うことをお勧めします。