2015年度が始まって1カ月ですが、政府はすでに2030年の発電コストの見積もりを完了したようです。2030年というと、今から15年も後の話ですが、それくらい未来の話も政府内では検討しているようです。
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この検討によれば、2030年の太陽光発電の発電コストは12.7円となります。
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発電コストとは?
そもそも、発電コストとは何でしょうか。おおざっぱに言えば、
「発電設備を作る費用 ÷ 発電電力量」
という定義となります。1kWhあたりの発電費用となります。
つまり、発電設備の費用が安くて、発電電力量が多いなら、発電コストは低くなるということです。ちなみに、発電設備の費用には、メンテナンス費用も含まれます。
なお、2014年の太陽光発電の発電コストは、住宅向けで29.4円、非住宅向けで24.3円となっています。
住宅向けで29.4円というのは、たとえば中部電力の夜7時くらいの電気代が25円前後なので、それよりは高い程度です。つまり、もし夜に電気を使うなら、自宅の太陽光発電の電気を使うより、中部電力から電気を買ったほうがお買い得ということになります。
2030年の発電コストから分かること
2030年の太陽光発電コストは12.7円となっています。現在の半額以下ですね。こうなると、何が嬉しいのでしょうか?
それは、電力の自給自足で元が取れるということです。現在、中部電力のオール電化向けプランの「Eライフプラン」では、深夜時間帯の1kWhあたり13.45円が最も安いです。2030年には、これよりも太陽光発電のほうが安く電気を作ることができるということです。
すなわち、電力会社から電気を買うよりも、自宅に太陽光発電を設置するほうが、トータル的に安く済むということになります。
そうなれば、現状の固定買い取り価格制度の買い取り価格を気にせずとも、自宅で消費する電気だけを太陽光発電すれば良いのです。現在でも、電力会社と契約せず、電気を全て太陽光発電でまかなうお宅もチラホラ出てきているようですが、2030年にはその割合が増えるかもしれません。
また、非住宅向け、いわゆる事業者にとっては、発電コストが下がるのはうれしいことですが、一方で固定買い取り価格制度で儲けられなくなる可能性もあります。
発電コストが下がれば、電力会社が固定価格で買い取る意味がなくなります。もともと再生可能エネルギーの普及目的で固定価格の買い取りをさせていたので、2030年には、もしかすると固定買い取り価格制度自体無くなるかもしれません。
いずれにしても、今後の発電コストの動向に注目です。