クリーンエネルギーとして注目を浴びた太陽光発電ですが、固定価格買取制度の影響もあって、個人、事業者問わず、多くの太陽光発電が導入されてきています。
個人宅の屋根にも太陽光パネルが載っているのをよく見ますし、空いた土地はだいたい大規模太陽光発電設備に置き換わっていますよね。それだけ太陽光発電が一般的になってきたということでしょう。
しかし、太陽光発電の普及を後押しした固定価格買取制度は、ここに来て大きな局面に差し掛かっています。
政府としては、太陽光発電に偏りすぎている状況を改善するため、太陽光発電の買取価格を大きく引き下げようとしているのです!
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10kW未満の2019年度の目標は24円?
政府の目標は、10kW未満のいわゆる個人宅の太陽光発電については、2019年度に1kWhあたり24円程度で買い取るよう働きかけています。
2016年度の買取価格が31〜33円ですから、3年で7〜9円もの引き下げとなってしまいます!単純計算、20%超も利益が目減りしてしまうことになります。これは厳しい。
ただ、一応、太陽光発電設備の導入コストを鑑みて買取価格を下げているようですので、実際にはそこまで利益は減らないかもしれません。ですが、買取価格はやはり高い方が良いですよね。
10kW以上は未定
一方で、セキスイハイムのスマートパワーステーションのように、個人宅でも10kW以上の大容量太陽光パネルが搭載されるようになってきました。10kW以上になると、買取価格が減る代わりに固定買取期間が10年から20年に引き延ばされるメリットがあります。
ただし、10kW以上の太陽光発電は事業者向けという位置付けが大きく、将来的に買取価格は入札方式にするという案もあります。具体的な入札方式については不明ですが、できる限り買取価格を下げるために導入される見込みですので、10kW未満の太陽光発電よりも買取価格がぐんと引き下げられる可能性もあります。
ただ、2017年度は2MW以上というメガソーラー設備にのみ入札方式を取る方向で調整している模様ですので、少なくとも個人宅の10kW以上の太陽光発電が入札方式になることは無さそうです。
となると、10kW未満の太陽光発電の買取価格と同レベルの買取価格引き下げとなりそうですね。
まとめ
以上、今回は2017年度の太陽光発電買取価格の想定を紹介しました。
固定価格買取制度の導入当初に高い価格で買い取ったものだから、太陽光発電ばかりどんどん増えてしまったツケがここに来て出てきているようですね。
太陽光パネルも中国製など、そこそこの発電効率で安く買えるようになってきているのも大きいです。パネルは安く、買取価格は高くでたんまり利益を得ようと目論む事業者が多く、それゆえ政府も買取価格の大幅引き下げを考えているようです。
買取価格として捻出されるお金は、毎月の電気代から徴収されています。ですので、買取価格が下がれば、電気代が少し安くなるのです。太陽光発電している人には良いでしょうが、そうではない人は太陽光発電している人にお金を上げているようなものです。これは不公平ですよね。
将来的には電力会社から買う電気料金より安い価格で太陽光発電電力を買い取るのが狙いのようです。そうなると自家消費の方がメリットが大きくなり、電力会社が無理して太陽光発電の電気を買わなくても良くなります。負担が減るということですね。
今後、太陽光発電を導入される方は、将来的に自家消費することも踏まえて検討されると良いと思います。蓄電池を付けたり、発電した電気で電気自動車の充電したり。買取制度のメリットは少なくなりつつあつても、自宅で発電できるメリットはまだまだ大きいです。