九州電力に代表される再生可能エネルギーの買い取り中断問題、メガソーラーのような大容量太陽光発電設備の申し込み殺到の影響で電力会社が買い取りできなくなっています。
そんな状況を打開すべく、現在政府を中心として来年度以降の再生可能エネルギーの固定買い取り制度の見直しを実施していますが、この度その骨子案が出てきました。
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家庭用太陽光発電は優先
現状の電力会社買い取り中断問題の発端は、メガソーラーの乱立にあります。諸外国に比べて固定買い取り価格の高い日本は外資にとって格好のエサであり、中国の格安太陽光パネルを使って売電すれば、安定的に確実な利益を得られる金のなる木なのです。
しかも再生可能エネルギーの買い取りには負担がかかり、そのお金は私たち電気消費者が負担しています。どこの馬の骨とも分からない会社の利益のために日本国民が負担するのはおかしいですよね。
政府もそんな不条理なシステムを改善すべく、2015年度からはメガソーラーのような事業者に対しては厳しくなるような制度に改善するようです。
一方、家庭用太陽光発電については、事業者向け太陽光発電よりも優先して買い取るような制度にするとのことです。
もともと家庭用太陽光発電は余剰買い取りといって、まず自宅で発電分を消費した後、余った電気を電力会社に売るやり方です。なので、全量買い取りの事業者向け太陽光発電に比べると、電力会社への負担はかなり少ないのです。
また、太陽光発電によって個人消費を促す働きも期待できます。消費税増税の影響で注文住宅の契約数が回復していないため、太陽光発電の固定買い取りのメリットによって少しでも注文住宅の契約数回復に繋げたい思惑もあるようです。ハウスメーカーによっては太陽光発電を住宅ローンに充てるところもあるようですし。
申し込みだけの事業者は排除
一方、メガソーラーのような事業者向け太陽光発電設備については辛辣な対応となります。
今までは太陽光発電の買い取り申し込みだけ行って、実際の発電は後回しという事業者が多かったのです。
これは、「買い取り価格は申し込み完了時」というルールだったがゆえ、買い取り価格が高い時に申し込みだけやっておいて、太陽光パネルの価格が安くなるまで待って発電開始する悪徳事業者が居たためです。
申し込みだけやって実際には発電していない、でも電力会社としては申し込みされているのでいつでも受け入れできるよう余力を残さないといけない、だから新規買い取り中断するという悪循環となっていました。
そんな状況でしたので、2015年度はこのような悪徳事業者は排除できるよう制度が変わります。
また、買い取り価格の決定は申し込み時点ではなく、実際の発電開始時点となるため、上記のような抜け道はなくなり公平性が保てます。
いずれにせよ、真面目に発電する事業者には悪徳競合事業者を排除できるメリットがありますし、家庭用太陽光発電については今後もちゃんと買い取りできるという安心感ができます。