先日台湾の鴻海にシャープが買収されたというニュースが紙面を賑わせました。日本の大手メーカーが外資に入るということで、今後の日本メーカーは大丈夫なのかと憂いている今日この頃です。
ただ、とりあえずシャープは外資の力によって生き長らえることができそうではありますが、気になるのはシャープ製の太陽光パネルの保証はどうなるの?ということです。
シャープは液晶パネルの売り上げが芳しくなく、巨額の赤字に陥ったことで経営難になりましたが、太陽光発電事業も赤字部門、いわゆる「お荷物」事業だったのです。
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さらに以前、シャープが太陽光発電事業から撤退するかもしれないというニュースが飛び交った時期もありました。
そのときは結局撤退しませんでしたが、それ以降も経営は悪化し、今回の事態になったというわけです。
鴻海は太陽光パネルはいらない?
鴻海会長は、シャープの雇用は最大限守ると明言しています。しかし、鴻海がシャープを買収した大きな目的の一つは、シャープの液晶パネル技術の取得です。
逆に言えば、液晶パネル以外の事業は要らないとも言えます。特に不良債権化している事業は、買収後なんらかの方法で抹消することも考えられます。
特に鴻海会長は、「短期間でシャープを黒字化する」とも語っていますので、赤字部門でかつ鴻海が不要と判断した事業は廃止、あるいは他社へ売却される可能性があります。
太陽光発電事業などはそのうちのひとつとなり得ます。2月のシャープとの対談の中でも、「赤字部門の太陽光発電事業以外は残す」と言っている点からしても、今後シャープの太陽光発電事業は無くなる可能性が高いです。
売却されたら保証はどうなる?
もしシャープの太陽光発電事業が売却されるとすれば、国内企業、あるいは昨今発展著しい中国系企業が考えられます。
いずれにせよ、シャープが太陽光発電事業から撤退したら、すでに販売済みの太陽光パネルの保証はシャープは行わなくなります。
とすると、売却先の企業がその保証も行ってくれるのでしょうか?
たとえば家電製品の場合、メーカー保証1年付いていますが、これは事業売却されても、製品保証は残ることが多いようです。
また、他の事例においても、事業売却先との連携によって製品保証期間内の修理などを継続するよう努める企業もあります。
JCASTニュース 東芝も「白物家電」中国に売却報道の衝撃 冷蔵庫や洗濯機の「保証」はどうなるのか
以上を踏まえると、今回のシャープ太陽光発電事業に関しても、もし他社へ事業譲渡されたとしても、メーカー保証期間内であれば、シャープと売却先企業との間で協力してサポートがなされることになると思われます。
逆に、もし事業売却によって一切のサポートを打ち切るようならば、シャープのブランドイメージの失墜、ならびに事業売却先企業へも波及することになりかねません。そのようなリスクを負うくらいであれば、事業譲渡後でもちゃんと保証してくれるはずだと考えられます。
ただ、太陽光パネルの製品保証年数は一般家電製品よりも長いので、もしかすると製品保証年数が短くなるなどの対応はあるかもしれません。可能性としては少ないとは思いますが。
いずれにせよ、まだ太陽光発電事業をどうするか不透明です。今後情報が分かり次第、更新していきたいと思います。