こんにちは!神下(かみもと@Twitter)です。
皆さんは太陽光発電2019年問題って、ご存じですか??
そもそも太陽光発電は、政府の戦略で再生可能エネルギーの旗振り役として、急速に広がっていきました。道路を走っていても、いろいろなところで太陽光パネルを見ますよね?9年前までは、太陽光発電なんてほとんどありませんでしたから、どれだけ急速に普及したか分かると思います!
ところで、どうしてそこまで太陽光発電が普及したかと言えば、とにもかくにも「固定価格で発電した電気を買い取ってくれる」制度のおかげです。
たとえば一般家庭に多い10kW未満の太陽光発電では、10年間、1kWhあたりの発電電気を固定価格で買い取ってくれるという制度です。10kW以上では20年間固定価格での買い取りとなります。
このような制度があるおかげで、主に太陽光発電の利益で設けようとする企業、あるいは個人がこぞって太陽光発電を導入していったため、日本各地に急速に広がっていったわけですね。
ところで、カンの良い方なら既にここまでの内容でお気づきでしょうが、
「太陽光発電、固定価格の買い取り期間が終わったら、どうなるの?」
という疑問が当たり前のように湧き出てくるわけですね。
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太陽光発電の買取自体は、電力会社にとって何のメリットもないのです。10年、あるいは20年も固定価格での買い取りを強制され、しかも天候に大きく左右されるので発電予測もつきにくい。
発電量が足りないと大規模停電となるので、太陽光発電量を予測しつつ火力発電や原子力発電を動かす必要があります。また、電気というのは発電し過ぎて供給過多となっても不具合が出るので、需要に対してちょうどよい供給をしないといけません。その意味でも、天候に大きく左右される太陽光発電の増加は、電力会社にとって不利益でしかないのです。
そのため、固定価格での買い取り期間が終了した後の電力会社の動向に対しては、長く議論のマトでした。買い取ってくれても二束三文だとか、そもそも買い取ってくれないのではないか?など。ただし、実際には買い取り期間が終了する直前にならないと確実な答えは出ない、というのが本音でした。
しかし、太陽光発電の固定価格買い取り制度が始まって、2019年でちょうど10年。最初に導入した人は2019年には買い取りが期限切れとなります。買い取り期間が終了した後、電力会社がどのような対応を行うのか、明確になる時期が来ました!
電力会社の2019年以降の買い取り価格
電力会社の太陽光発電の2019年以降の買い取り価格について、残念ながら2018年6月現在、公式サイトに明記されていません。
ただし、私がパナソニック子会社の太陽光発電関連のサービスを行っている担当の人にヒアリングした内容によれば、
「2019年以降の太陽光発電の買取価格は0円となりそうです。」
とのことでした。
裏が取れているわけではないですが、この情報が真実ならば、2019年以降、太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)が期限切れとなると、太陽光発電した余りの電気を電力会社に売っても0円=タダでプレゼントすることになってしまいます!
2019年に固定価格買取制度が切れるのは、一般家庭など10kW未満の小容量太陽光発電の方ですので、買取方法は余剰買取(発電した電気を一旦自宅で使い、その余りを電力会社に売る形式)。基本は自宅で使えるわけですが、その余りは無駄となってしまいます。
せっかく発電した電気をタダで電力会社にプレゼントするのは嫌ですよね・・・。
というか、そもそも電力会社も、発電量が読めない太陽光発電なんていらないでしょうから、2019年以降に一方的に太陽光発電買取契約を解除すると思われます。そもそもが10年契約でしょうから、解約というよりは契約更新しない、というのが正解でしょうけど。
そうなると、2019年以降、順次「太陽光発電固定価格買取制度(FIT)難民」が続出してくるわけです。2019年の流行語大賞は「FIT難民」ですね(笑)
・・いやいや、笑い事じゃないですね。我が家だって屋根に5.6kWの太陽光パネルがついていますもん。
[我が家の太陽光発電収支→]【太陽光】今月は大幅黒字!やっぱり4月は太陽光発電に最適!
それでは、2019年以降のFIT難民の皆さんは、どうすればいいのでしょうか?高いお金払って搭載した太陽光パネルは、そのまま無駄になってしまうのでしょうか?
FIT難民の太陽光発電設備の使い道
2019年以降、太陽光発電固定価格買取制度難民の皆さんは、どうやって生きて・・・もとい、太陽光発電設備をどうやって存続していけばよいのでしょうか?
私が考えるFIT難民の皆さんの太陽光発電設備の生かし方は、以下の3タイプとなります。
1)なりゆきに任せて日中のみ使用する
1つ目の選択肢は、電力会社との契約切れのあと、何もせずに過ごす、というタイプです。
電力会社は余剰電力を買い取ってはくれませんから、太陽光発電した電気が余っても、どうすることもできません。
そのため、できるだけ発電した電気が余らないよう、日中にガガーっと電気を使ってしまう、という方法です。
例えば今までは夜間の安い電気を使って節約していた以下の家電、
- 洗濯乾燥機
- 食器乾燥機
- アイロン
- ドライヤー
- 電子レンジ
- 炊飯器
などは、日中の太陽光発電している時間帯にまとめて使用するようにします。日中にガンガン電気を使うようにすれば、太陽光発電で余る電気も減らせます。
ただしネックなのは、「太陽光発電量を逐次チェックしつつ、うまく余剰が出ないよう電気を使わないといけない」点です。
めちゃくちゃ晴れている日は気にせずがんがん使えますが、やや曇っている日などは、使いすぎると太陽光発電の電気だけで足りなくなり、電気代の高い日中に電力会社から電気を買ってしまうことになります。それは本末転倒ですよね(汗)
また、太陽光発電の発電量を見ながら家電を使う、というのもかなりシンドイです。一日中家に居る人は稀でしょう。共働き世帯はもとより、専業主婦主夫世帯も、買い物に出かけたり、子どものお迎えに行ったりと、家にずっと居るわけではありません。
逐次太陽光発電量を観察しながら「今、発電量多いから乾燥機使わなきゃ!」なんて生活、耐えられますか???
すごく細かい性格の人ならそれでも良いかもしれません。私みたいに大雑把で面倒くさがり屋の人は無理ですね(汗)
つまり、自宅で太陽光発電の電気をすべて綺麗に使いきるような家電製品の使用、は困難です。
FIT難民から電気を買い取ってくれるサービスを利用
電力会社は買い取ってくれなくても、ほかの会社が太陽光発電の電気を買い取ってくれるケースもあります。
最近プレスリリースを出したスマートテックは、FIT難民(スマートテックでは卒FITと呼んでいます)から太陽光発電の余剰電力を買い取るサービスを開始するということで、現在、先行予約サービスを受け付けています。
【プレスリリース】太陽光発電の“2019年問題” 「卒FIT」世帯に向けた 電力買取サービス 「スマートFIT」の先行受付を開始
スマートFITでは、
2年更新の契約で、買取価格を1kWhあたり8円
で買い取ってくれます。
通常の固定価格買取制度では、2018年に開始した人は26円(出力抑制の義務なしの地域)ですから、3割くらいの価格ですね。しかも、2019年に買い取りが終わる人は、1kWhあたりの買い取り価格が48円と高額でしたから、2割くらいの価格まで下落することになります。
これがどれくらいのインパクトかといえば、月に500kWh売電しているご家庭なら、
・FIT期間中:500kWh × 48円 = 2万4千円
・FIT期間後(スマートFIT):500kWh × 8円 = 4千円
となり、2万円も売電収入ダウンとなってしまいます!
ちなみに500kWhがどれくらいの売電量かと言うと、5.6kWの太陽光パネルを搭載したセキスイハイムの一戸建て、快適エアリー24時間稼動の我が家の全盛期(5,6月)の売電量です。めっちゃ好調だったときの売電量です。それで4千円ですから、無いよりマシ程度の収入です。飲み会一回分くらい。
ただ、買い取り不可となるくらいならスマートFITに申し込むのがオススメです。年間で数万円くらいの収入。0円となるより良いですよね。
2年の保証期間の後は1年更新になるのと、おそらく更新ごとに買い取り価格が下がっていくものと思われますので、延々と収入が確保されるものではありません。
なお、現在は先行予約サービス中で、1kWhあたり8円の買い取り価格が10円になっています!2019年問題で悩んでいるFIT難民のご家庭はお早めに申し込みすると良いでしょう。
なお、スマートFIT申し込み対象は「2019年、2020年にFIT期間が終了する方」なので、ご注意。また、対象エリアも全国すべてではないので注意しましょう。
蓄電池を導入
最後の選択肢は、自宅に蓄電池を導入して、太陽光発電の余剰電力を貯める、という方法です。
個人的にはコレが一番オススメで、我が家も10年の固定価格買取期間が終了したら、蓄電池を購入しようと考えています。
考え方は簡単ですね。「太陽光発電で余った電気を蓄電池に貯め、夜間の電気に使う」という方法。
外に売るというやり方ではなく、地産地消のイメージですね。
蓄電池導入のメリットは、
- 買取業者の買い取り価格に依存しない(買取拒否のリスク回避)
- 電気の使い方を気にしなくて済む(余れば自然と蓄電池に貯めてくれる)
- 災害、停電時でも蓄電池から電気を使える
- 電力会社から電気を買うより安い
という点です。
先ほどのスマートFITでも、そもそもの買取価格が低いのに、契約継続していくたびに買取価格が下落していくリスクを考えると、手ごろですが将来的には買取不可となる可能性があります。
また、昨今の地震多発による停電のリスクを考えると、蓄電池で電気を使えるとメリットが大きいです。夏場などクーラーとまで行かなくても扇風機で夜をしのぐことは可能ですし、日中なら太陽光発電分で十分にクーラーをつかうことはできます。余れば蓄電池に貯めて夜使えますしね。電気の地産地消の最大のメリットです。
また、いくら安い夜間の電気といっても、電力会社から買う電気は高いです。我が家が契約している中部電力のEライフプランでは、夜間の電気代は1kWhあたり13.45円です。
これはスマートFITの買い取り価格の8円より高いですね。つまり、「太陽光発電の余剰電力は、スマートFITで8円で売るより、蓄電池に貯めて夜間の電気代13.45円の代わりに使用」するほうが、お得なわけですね!
私の考えでは、卒FIT後の選択肢としては「お手軽さを優先するならスマートFITのような買取サービスを利用」するのが良いですし、「導入費用はかかりますが将来的にもお得な蓄電池を導入」して電気の地産地消を進めるのもオススメです!我が家は後者の意見です!
我が家は中部地方に家があるので、やはり東海地震など地震災害に関するアンテナを高く張っています。日ごろから避難場所へのアクセスや、日用品・食料の備蓄など欠かさないですし。
ただ、食料や日用品、トイレなどはどうにでもなりますが、電気だけはどうしようもありません。インフラが復旧するまで待つしかないとなると、かなりの日数がかかります。そうなると、灼熱の夏場に電気も無く生活できませんし、極寒の冬場にエアコンもコタツもなく過ごすことも難しいです。避難所に行くにもプライベートがないですし、小さい子どもがいると気を使います。
そういう意味でも、電気を地産地消できる「太陽光発電+蓄電池」という組み合わせはメリット大です!普段も夜の電気代を安く済ませることができますし、非常時にも役に立つ。セキスイハイムなので地震でも倒壊しないでしょうし、地震後の停電中でも「太陽光発電で電気が使え、夜間も蓄電池で電気が使える」生活は、かなり精神的に安心できます。
中部地方に限らず、最近は日本全国どこでも大きな地震が起き得ます。万が一に備え、太陽光発電2019年問題に悩むFIT難民予備軍の皆さんには、ぜひ蓄電池導入も検討の1つに入れて頂ければ良いと思います!
蓄電池導入はまず見積もりから。同じく2019年問題、2020年問題で困っているご家庭は多いですから、間際になると蓄電池の設置工事が間に合わずにFIT期限切れになるかもしれません。今のうちに見積もりだけは取得しておくことをオススメします!